掲示板で見つかる運命の出会い
今から3年前、1996年8月某日。私はラスベガスでひと目惚れをした。深夜。ひとりでMGMホテルのカジノに繰り出し、ルールもよく分からないまま、ルーレットに挑戦していた私は、ディーラーに叱られまくっていた。そんなときに助けの手を差し伸べてくれたのが、明石家さんま似の彼だったのだ。年の頃は30代前半だろうか。私は思わず見とれてしまい、彼が親切に教えてくれたルールなんぞ、ぶっ飛んでしまった。妙に心臓が激しく鼓動している。しかし賭け事の合間に口説くわけにもいかないし……。いや、そうではなく、じつは、その後ルーレットに熱中してしまったのだ。
結局その人にお礼さえも言わず、名前さえも聞かないまま、私はスッカラカンになって部屋に帰ってしまった。そのあとは、旅行中ずっと、彼のことが気になって仕方がなかった。もはやあとの祭りである。ところが、神はもういちど、チャンスを用意してくれたのだ。
なんと帰国した成田空港で再会したのである。しかし、当時つき合っていた彼氏が一緒だったので、駆け寄っていくこともできず!!、お互いに手を振るのが精一杯。あぁ~! これが最後の出会いになってしまうのだろうか。
明石家さんま似の彼を探し出したいという気持ちは、日を重ねるごとに強くなっていった。偶然の出会いに期待したものの、そんなことは起こるハズもなし。気づけば、出会いからすでに3年が経過していた。どうにかして会いたい!‐当時の彼と別れたあと、本
格的に捜索を開始したのだが‥…。手がかりを整理すると、出会った場所●ラスベガスのMGMグランドのカジノ相手の容姿●明石家さんまをかっこよくした感じ彼の名前●不明彼の年齢●不明彼の住所●不明……これだけの材料でどうやって探すねん! 考えあぐねた末、思い切って探偵事務所に電話してみた。
「難しいですねぇ……」という返答。当たり前と言えば、当たり前。しかも、いくら金がかかるかも分からないと言う。下手すればン百万円以上かかるとか。そんな金はない……。もう諦めようと思ったとき、気づいたのがインターネットというツール。
さっそく人探しサイトの検索をスタートした。ExciteやYAHOO!、infoseekなど、あらゆる検索工ンジンに、思いつく限りのキーワードを打ち込む。「人探し」と打ち込むと、真面目に行方不明者の捜索をしている方々のHPが数百件も登録されていた。だが、これではアカン!」のである。行方不明者じゃないんだから……。しかも、名前さえもわからない人を、どうやって捜すというのか……。気を取り直し、今度は単純に「ラスベガス」と打ち込む。ぐゎぁ~‐30万件以上のHPが~! 絞り込み検索で、どんどん範囲を狭めれば狭めるほど、べつに探してもいないサイトがバンバン出てくる。最後に残る10件のなかに必ず入っているのが、カウンタが設置されていないので、ヒット数は定かではないが、書き込み数は月に10件以上あり、まあまあの活動状況のよう。私もさっそく用意されたフォームにメッセージを書き込む。だが、ここで問題発生。メッセージが50文字程度しか入れられない。これじゃあ、思いを長々と語ることは不可能。しかたなく、できるかぎり短い文章で打ち込むことにする。
「ラスベガスでルーレットのルールを説明してくれた方(成田空港でも会った)ぜひ、もう一度会いたい」自分の容姿も語れず、かなり苦しい展開。「しゃあないか……」しかし、この掲示板だけでは心もとない。
そんな折、私は友人に教えてもらった「宙」という無料掲示板で毎晩遊んでいた。この掲示板を利用している人は、レーダーと呼ばれるリンクで掲示板登録メンバー同士、横に繋がっている。つまり、メンバーになれば誰でも勝手に掲示板を開設でき、また、見知らぬ人の掲示板に書き込め、交流ができるという仕組みだ。私の掲示板は独り言ばかりで、ハッキリ言って不気味(笑)。夜中に替え歌を作成したり、なんちゃって関西人(無理に関西弁を使う人)コーナーを開設したり……と、ひとりで大ウケしていたのだ。なんのことはない。掲示板というよりも、個人的なストレス発散の場にしていたのである。こんなコワれた女が管理する掲示板に来訪する人は当然いなかった。
ラスベガスで開催されているPCショーの報告。それでもメゲずに見出しで目安をつけ、毎日10件以上のサイトに目を通した。自己紹介などで顔写真が掲載されているサイトには期待を込めてクリックするが、そのたびに肩を落とす。半分やけになって、「えぇ~い! これでどうだぁ!」と打ち込んだのが「あの人に会いたい」という簡単な言葉。すると、待望のHPが見つかったのだ。それが電脳旅行社の「尋ね人掲示板」である。旅に関する情報を提供しているHPで、そのなかに「旅先で出会った探し人」の伝言板ページが設けられているのである。
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2011年9月29日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:運命の出会い体験談

